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引っ越し業者に、大事なものを壊されたら?

 引っ越し業者にお願いした荷物が、壊されてしまうというのは決してない話ではありません。こんなとき、どういう補償をしてもらえるのでしょうか。また実際に業者の人が壊すところを見ていれば話は簡単なのですが、引っ越しが済んで落ち着いてから破損に気付くというケースも多くなっています。いつまでに申し立てれば、補償が可能なのでしょうか。実際に荷物を壊された、破損してしまった場合、どうなるのか見ていきましょう。
 引っ越し業者の多くは、「標準引越運送約款」を用いて契約を行います。また、引っ越し業者によっては国土交通省の許可を得た、業者独自の「引越運送約款」を用いているケースもありますが、さほど大きな違いはありませんので、標準引越運送約款に基づいてどんな対応をしてくれるのか見ていきましょう。
 まず、引っ越し業者に荷物の運搬をお願いする場合、貴重品や壊れやすいもの、特に注意を要する荷物は利用者が事前に申告する必要があります。別料金を支払う必要が出て料金が高くなる、それを嫌って申告しなかった場合、その荷物について適正な金額の補償は受けられなくて当然です。また、キャッシュカードや宝石貴金属、預金通帳などの貴重品、一緒に運ぶと他の荷物に損害を与えてしまうもの、ピアノなど特別な管理が必要となるもの、火薬などの危険物は、引っ越し業者が運送を断ることができます。その「引っ越し業者が運べない、といっているような荷物、例えば宝石などの小さなものを他の荷物に紛れ込ませて運んでもらった、というのであれば、やはり補償はされなくて当然と考えましょう。それ以外の荷物でも、業者に箱詰めや梱包をお願いする場合を除き、引っ越し業者に頼む契約者が梱包について責任を負います。割れ物をダンボールにそのまま詰め込み、割れてしまってももちろん引っ越し業者に補償義務は発生しないのです。不適切な梱包が破損の理由であれば、どんなに大切なものであっても補償は難しくなります。ただし、引っ越し業者が梱包を行った場合は、もちろん引っ越し業者側の責任となり、補償されることになっています。
 では、契約者に何の落ち度もなく、荷物が壊されてしまった場合についてみて行きます。荷物、そして建物など、引っ越しでなんらかの破損や紛失があった場合は三ヶ月以内にその内容について、引っ越し業者に通達しなければいけません。また、損害賠償請求は1年以内、となっています。期間を過ぎてからの申し立ては時効となり、引っ越し業者は補償義務がなくなります。それでは、どのくらいの金額、保障してもらえるのかというと、これは購入金額ではなく時価補償です。骨董品でもない限り、通常は経年によって家財の価値は目減りしていきますから、古いものほど補償額が少なくなっていきます。ここで問題になるのは、お金には換えがたい、思い出の品などですね。ですが、家族にとっては重要なものであっても、時価が低いもののはやはり気持ちについてまでは補償してはくれません。こんな場合は、多少無理をしてでも、自分で運ぶのが一番ということになるでしょう。引っ越し契約は、引っ越し業者側、契約者側、どちらか一方が有利になるようなものではありません。契約について、しっかりと認識して引っ越し業者を利用するといいですね。

 
 
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